この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
信号機のある交差点において被害者が横断歩道を横断していたところ、右折しようとした加害車両が衝突し、被害者が路上に転倒し負傷した交通事故。被害者は、この事故により、脳挫傷、外傷性くも膜化出血、急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、顔面骨折等の怪我を負った。約4カ月間入院し、その後退院したが、脳挫傷による後遺症(高次脳機能障害)を発症し(具体的症状としては失語症)、後遺障害3級3号に認定された。交通事故前は、障害のある息子と同居していたが、事故後は世話をすることができなくなり別居することになった。独居生活は可能であったものの、火の消し忘れ、掃除、買い物が困難であることから、ヘルパーの支援を受けることになり、家族による定期的な見守りも必要となった。
解決への流れ
保険会社は、被害者が交通事故当時、高齢かつ無職であることから、休業損害及び後遺障害逸失利益をゼロ円として提示してきたが、交通事故前に障害のある息子との生活のために家事労働をしていたことなどを主張し、増額を求めた。また、傷害慰謝料及び後遺障害慰謝料も低い提示であったことから、増額を主張。そして、ヘルパーによる支援や家族による定期的な見守りが必要にもかかわらず、将来介護費の提示がなかったことから、この点も増額を主張。最終的に約870万円の増額となり、示談が成立した。
被害者が、交通事故当時に、無職や高齢の場合、休業損害や後遺障害逸失利益の支払を拒否されることはよくあるケースです。本件は、無職かつ高齢であっても、交通事故前に障害のある息子さんと同居し家事労働をしていたので、交通事故による後遺症のためにそれができなくなったことを丁寧に説明し、増額に成功しました。また、後遺障害3級相当の高次脳機能障害ともなると、日常生活に相当の支障が生じますから将来介護費も請求することが重要です。本件でも、後遺症によって日常生活にどのような支障が生じているのかについて丁寧に説明することで増額に成功しました。※この解決事例はご依頼者様の賠償金の増額を保証するものではございません。賠償金の額は年齢、職業、収入、おけがの程度などによって異なります。ご了承ください。