犯罪・刑事事件の解決事例
#死亡事故

2人乗り原付バイクでの死亡事故、運転者の認定が争点。一審では死亡者遺族が敗訴したが、控訴審では運転者を相手方と判断、逆転勝訴したケース

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北村 哲 弁護士が解決
所属事務所きたむら法律事務所
所在地福岡県 久留米市

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

依頼者のお子さんが、友人と原付バイクに2人乗りをしてコンクリート塀に衝突する事故に遭い、お子さんが死亡、友人が負傷しました。検察庁は、「依頼者のお子さんが運転していた」と認定し、被疑者死亡として捜査を終結させましたが、依頼者はそのことに納得がいかず、弁護士に依頼して検察庁に再捜査の申入れをしたものの、結論は変わりませんでした。

解決への流れ

納得がゆかない依頼者は、真相を明らかにするために友人に対して民事の裁判に踏み切りました。一審では、実況見分調書の記載内容や友人の供述等から「運転者は依頼者のお子さんであった」と認定され、請求棄却となりました。控訴審では、一審の認定内容が証拠と符合しないことを丹念に指摘し、同形式の原付バイクを取り寄せて事故状況の再現報告書を提出したり、新たに入手した別件訴訟の警察記録を援用するなどした結果、「運転者は友人である」との認定がなされ、逆転勝訴判決となりました。

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北村 哲 弁護士からのコメント

目撃証言もなく、客観的な証拠も少ない非常に難しい裁判でした。しかし、依頼者はご自分で医師に医学意見書を求められたり、県警等に対する損害賠償請求訴訟を提起され、証人尋問を行われるなどした結果、捜査段階での医師が作成した捜査回答書の信用性が否定されるなど、本件訴訟でも有利に援用することができました。我が子の名誉を回復したいという依頼者の思いが結実した裁判であり、弁護士として全ての証拠に真摯に向き合う必要性を痛感させられました。