この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
相談者は,先代から当該土地を借りており,当該土地の賃貸借契約がいつから始まったのか,賃貸借契約書がなく詳細が分からない事案でした。しかし,賃借人は,年額40万円余で借りており,実際に遅滞なく支払っておりました。しかし,相談者(賃借人)は,年額40万円余は,周辺の土地の地代に比べて高いのではないか,として賃貸人に直接掛け合ったが,話し合いに応じないという状況でした。それを法律的にどうにかならないかという相談でした。
解決への流れ
当職が当該事件を借地借家法上の地代減額請求事件として受任し,交渉,調停を試みましたが,いずれも相手方(賃貸人,所有者)は応じませんでした。そこで,やむなく地代減額請求事件として訴訟提起しました。まず,当職が行ったのは,当該土地の固定資産税の課税価格の,裁判所に対する送付嘱託申立てです。賃貸人(所有者)は,固定資産税の課税価格を開示せず,また弁護士会による23条照会にも,市町村の税務課は応じなかったからです。送付嘱託申立てによって,当該土地の固定資産税の課税価格が判明し,ある程度の減額請求が可能であることを示して,相手方(賃貸人,被告)に地代の減額を迫ったところ,和解で,地代年額30万円に減額することが出来ました。
上記事件のように,土地の賃貸人,賃借人は,地代等が高い,あるいは安いと思われるときは,遠慮なく弁護士にご相談なさることです。まず,固定資産税の課税価格等によって,当該土地の価格調査を行い,適正な価格を見極め,地代減額(増額)請求を行うことが可能な場合があります。