この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
株式会社が、3つの飲食店を経営していたが、20社以上に対し5000万円以上の債務を負っており、毎月の収支も赤字が続いていたため、経営を立て直す目途が立たない状態であった。もっとも、3店舗のうち1店舗はうまくすれば収益が見込める状態であった。
解決への流れ
会社の自己破産の申立を行ったが、ある程度の資金が残っている時期に申立ができたので、長年世話になって来た仕入れ業者の買掛金と従業員の未払い給与は全額支払うことがきた。また、収益が見込める1店舗を会社関係者に売却し、そこで営業を継続することができることとなった。
会社の破産で最も重要なのは、破産するタイミングです。破産申立のための費用を賄い、従業員の未払い給与などどうしても支払っておきたい債務を全額支払えるだけの資金が確保できた時に、極めて短時間の間に債務の支払、店舗の閉鎖、従業員の解雇、破産申立、債権者への通知を行う必要があります。ある時点から不必要な支払をせずに資金を貯め、必要な債務の支払いと破産申立のタイミングを見計らうのには、十分な収支の検討と、経験に基づく的確な判断が必要になります。このケースでは、適切なタイミングを見つけて申立をすることができたため、仕入れ業者や従業員に迷惑を掛けることもなく、また大きな混乱もない状態で会社を整理することができました。また、会社の破産の場合、営業の一部を関係者に譲渡して事実上事業を続けることができることもあります。もっとも、どんな場合でもできるのではなく、いくつかの条件を揃えることが必要ですが、これも経験に基づく的確な判断が必要になりますし、法律上の問題を回避するためのやり方があります。このケースでは、その条件を上手く揃え、金融機関からの反発を何とか抑えて、事業を継続することが出来ました。