この事例の依頼主
男性
相談前の状況
合意の上で女性と関係を持ったある男性が、その後女性から「合意はなかった、告訴する」と言われ、インターネットで調べた刑事専門を謳う某法律事務所に相談に行きました。ところが、相談を受けた某法律事務所の担当弁護士から「その案件は、あなたでは解決できない。絶対に女性から告訴される。そうなるとあなたは今の職も社会的地位も失う。それが嫌なら、私が解決するから、示談費用とは別に弁護士費用の前金300万円(税別)をもってすぐ来なさい。」と言われたという。その男性は、とてもそのような高額な費用を準備できないということで、私のところに相談に来たという案件でした。
解決への流れ
私がじっくり男性から話を聞いてみると、○○という事情等(特定防止のために伏せます)から、告訴の可能性は高くはないとすぐわかる案件でした。放っておいてもおそらく大したことにはならないと、お答えしたものの、あまりにその男性が心配されるので、「今後の社会生活を安心して送るために、ある程度の解決金で解決する方向もありますが」と提案しました。男性が強く解決を望まれたので、交渉の結果、もちろん告訴しない約束と今後の一切の請求をしない内容を盛り込んだ上で、数ヶ月後に、若干の解決金で示談することができました。示談書の作成、示談金の支払いなど全て私の方で担当し、男性は一度もその女性に会うこともなく、滞りなく示談が成立しました。
男性は、とても安心して、「もし、某事務所に頼んでいたらとても支払えませんでした。本当に有り難うございました。これからは女性には気をつけて、仕事を頑張ります。」と仰っていました。私としては、男性のご希望どおりに解決できた満足感もありましたが、何も知らない法律の素人の方に対して、「絶対告訴される」と相談者を不安に陥れて300万円もの着手金を要求するやり方は、いくら弁護士報酬が自由化されているとはいえ、さすがに問題だろうと感じていました。