この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
バイクに乗っていたところ,車と衝突し,唇が変形し歪んでしまったり,歯の手術が必要になったりする等,大きな傷害を負ってしました。後遺障害として歯が欠けてしまったことにより後遺障害等級第13級の認定を受けることができましたが,唇が歪んでしまった点(いわゆる外貌醜状<がいぼうしゅうじょう>の点)は,後遺障害等級基準の定める基準を充足しないということで非該当の認定になってしまいました。依頼者の方は,形式的に非該当とした自賠責の判断に納得がいっていませんでした。受任後,提訴となりました。
解決への流れ
提訴後,写真等の資料を提出するとともに依頼者の方の率直な気持ちを裁判所に伝える活動をしました。結果として,外貌醜状の後遺障害についても相当に考慮され,歯の後遺障害とあわせて傷害慰謝料・後遺障害慰謝料の合計約570万円の認定を受けることができました。
自賠責における外貌醜状の認定基準は形式的であるため,その形式的認定基準を充足しない場合は非該当になってしまいます。つまり,自賠責の認定では,形式的認定基準の範囲内であれば事実上,実質面も考慮されますが,形式的認定基準を充足しなければ,実質面は全く考慮されません。本件では,裁判所に提訴し,依頼者の方に残ってしまった外貌醜状の位置,内容,日常生活で生じる不都合を訴えることで,外貌醜状の実質面を踏まえた判断がなされ,適切な賠償を受けることができました。