この事例の依頼主
70代
相談前の状況
ある会社に土地を工場の敷地として貸していました。ところが、その会社はかなり前に破産し、工場が撤去されないまま残っています。その後、別の会社が、残された工場を使って営業しており、その会社から地代をもらっていました。しかし、その会社も最近地代を全く支払ってもらえません。この土地にアパートを建てたいので、工場を撤去したいです。急いでいるので、早く事件を解決して欲しいです。
解決への流れ
まず、工場に居座っている業者と交渉を行い、未払い賃料の支払と工場からの退去について合意しました。合意については、訴え提起前の和解を利用しました。その後、工場を撤去するために、破産した会社の清算人選任の申立てを行い、清算人との間で、土地明渡について合意し、無事、工場を撤去することができました。
この事件は、依頼者が急がれていたので、型どおりに訴訟を起こせばいいというわけにもいきませんでした。工場に居座っている業者には、すぐに交渉で話をまとめました。ただ、約束を守るか不安だったので、手続としてすぐに終わって、裁判と同じ結果となる、訴え提起前の和解という手続を踏みました。工場の撤去については、裁判をした後、強制執行をするという段取りも考えられましたが、時間がかかることが問題でした。そこで、裁判所とも相談して、清算人を立て、交渉するという段取りを踏みました。色々と考えた工夫がうまくはまり、スムーズに解決した事件でした。依頼者も予定どおりに、アパート建築が実行できるということで大変喜んでいただけました。